ブロックチェーンとは
ブロックチェーンとは、分散型台帳技術(DLT)の一つで、共有されるべき情報であるトランザクションをブロックと呼ぶ単位に含め、それらをハッシュ化し、連続性を持たせてチェーン状につないだデータ構造のことです。
特定の第三者を介さずに、オープンなネットワークで参加者による分散型の合意形成を可能にし、すべての履歴を追跡可能にして透明性の高い取引を実行します。
分散型台帳技術(DLT)
サーバ等の中央管理者が台帳(DB)を一元管理するのではなく、不特定多数のノード(参加者)が分散して台帳を管理し、同一のデータを全員で共有する仕組み。
ブロックチェーン技術
発生した取引をブロックと呼ばれる記録の塊に格納する。個々のブロックには取引の記録に加え、一つ前のブロックのハッシュ値を格納し、データの連続性を持たせることで、改竄が困難となり、真正性が担保される。

- 全員で台帳を分散しているため、不正取引や改ざんが不可能になる。
- システムはサーバ等で一元管理されているのではなく、分散管理しているため、一部のノードに障害があってもシステムを継続できる。
- 参加者がリソースを提供するため、DBサーバー等の設備投資が不要でコストがかからない。
- マイニング:特定の条件を満たす数値(ナンス)を計算して求め、ブロックを作るための承認作業のこと。
- ナンス:ブロックを生成するために使用する一度きりの数値のこと。ブロック確定のための計算問題の解答。
- コンセンサスアルゴリズム:取引が誰が、どのようにして承認するかを定めたアリゴリズム。PoW(プルーフ・オブ・ワープ)が有名。
ブロックチェーンを支える技術
ブロックチェーンを支える技術は大きく分けて、1.暗号化技術、2.コンセンサスアルゴリズム、3.分散台帳/P2Pネットワーク、4.スマートコントラクトの4つ。これらの要素が絡み合い、ブロックチェーンならでは変革が可能になる。
ブロックチェーンは「信用に関する問題」を解決する技術。「複数のステークホルダーがいる中で、特定の誰かを信頼の拠点とすることなく、価値の保存や移転を可能にしたい。」という課題を解決すべく、研究開発が進められている。

活用事例
記録保存・経歴の共有
- シェアリングエコノミー
- オープン・高効率・高信頼なサプライチェーンの実現
- 権利証明行為の非中央集権化
- 信憑性の高い所有者、身分、資格照明の実現
価値の移転
- 仮想通貨・送金・決済
- 地域通貨、電子クーポン、ポイントサービス
- トークンエコノミー
- デジタル化資産の移転(実物資産をデジタル資産として表現)
契約の自動執行
- バックオフィス業務(契約や取引の執行、支払・決済・票議等の意思決定フロー等)の自動化
- 自動支払、自動通知、自動売買等のサービスの自動化
- ID認証・本人確認の自動化
- デジタル化資産の移転(実物資産をデジタル資産として表現)
ブロックチェーンの推移
ブロックチェーン技術の応用はその発達段階に応じてブロックチェーン1.0、2.0、3.0と分類され、数字が大きくなるにつれて適用領域が拡大する。
数字が大きい技術がより優れているわけではなく、それぞれ得手・不得手があり、用途によって使い分ける。相互に影響を受けながら発展することが見込まれる。

ブロックチェーン活用のポイント
ブロックチェーンを用いたシステム導入を検討するにあたり、当該技術の導入が奏功する7つのケースを以下に記載した。
ブロックチェーンとは、情報共有及び相互監視に基づく仕組みとして信用担保の技術であり、信用を担保するために必要とされる第三者の役割や既存の仕組みに取って代わることが期待されている。

ブロックチェーン活用のユースケース

ブロックチェーンの適用先の分類として、大きく➀仮想通貨、➁システムの基幹技術に分類することができ、近年では仮想通貨領域以外の産業への応用も急速に進んでいる。
ブロックチェーンの市場規模と今後の展望
ブロックチェーンへの強い関心は、地域を超え世界共通のものとなっている。ブロックチェーン関連市場は今後右肩上がりで成長し、既存技術を代替するほどまでに各業界・領域において根付くものと予想されている。

※出典:https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2914
国内ブロックチェーン関連支出額は、2021年の783億円から2025年に7247億円へと急速に拡大する見込み。
弊社ブロックチェーンサービス➀:CryptoShip
- CryptoShip:健康経営支援アプリ
- 社員の歩数に応じて独自のポイントを付与
- 福利厚生品/サービスと独自ポイントの交換を可能にし、運動へのインセンティブを付与

弊社ブロックチェーンサービス➁:OwnerShip
- OwnerShip:STOシステム
- 匿名組合契約持分等のSTをブロックチェーン基盤上で管理
- ブロックチェーンを活用して第三者対抗要件に対応、投資家同士の持分売買を可能に

他社活用事例➀:ESG債
- 日本取引所グループ、日立製作所、野村証券株式会社
- ESG債のSTOプラットフォームの基盤技術として活用
- 近年急速に高まっている、グリーン・トランスフォーメーション、カーボン・ニュートラル向けの投資需要に訴求
- J-クレジット制度等に関係するカーボン・クレジットはクレジット相互の取引の制度を環境省が整備予定※1

※1:https://www.env.go.jp/content/900441887.pdf
画像:「国内初のデジタルな仕組みを用いた環境債「ホールセール向けグリーン・デジタル・トラック・ボンド」の発行に関する協業について2022年4月15日」 ,2022/04/15 ,https://www.nomuraholdings.com/jp/news/nr/nsc/20220415/20220415.html
他社活用事例➁:サプライチェーン
- 一社だけではなく、複数企業にまたがる材料・部品・製品のサプライチェーン全体を一つのブロックチェーン基盤で管理
- 複数のSHが参画する際に発生する、SMC上の課題(トレーサビリティ・取引の透明性・即時性…)をブロックチェーン基盤を活用することで解決
- トレーサビリティの担保により、フェアトレード等のSDGs向けの対応も可能

他社活用事例➂:偽造医薬品対策:DHL×Accenture
- 市場の15%を占める偽造医薬品による被害を防止する目的で、製造から使用までを1つのIDで管理する試みを始めている。

*画像出典:Blockchain in logistics DHL Trend research
Why Blockchain?
どこにBlockchainを活用?
医薬品のシリアルNoに製造元や消費期限等を記録
なぜBlockchain?
郵送・保管等の規制遵守をプロセスごとに管理・更新し、正当性・透明性を担保するため
その効果は?
シミュレーションでは、70億の医薬品Noに紐づく1秒間に発生する1,500のトランザクションに対応
他社活用事例➃:保険請求業務の簡素化
- お客様の保険金請求に関わる医療情報を、ブロックチェーンを通じて医療機関に要求し、データ連携基盤「avenue-cross」を通じてデータを受領することで、医療情報に対するセキュリティを確保しつつ、保険金支援業務の簡略化、迅速化が実現可能かを検証。

*画像出典:福岡エリアにおける医療情報連携に関する実験の完了(2018/1/5)
Why Blockchain?
どこにBlockchainを活用?
お客様の保険金請求に関わる医療情報
なぜBlockchain?
秘匿性の高いデータと照会データをセキュアに選別・管理するため
その効果は?
1か月以上かかっていた支払いまでの期間を数十分に短縮*
*出典:日本経済新聞「米プラネットウェイ、三井不など9社と新事業創出」(2018/5/9)