BATTERY JAPAN 2025で差をつける!系統用蓄電池ビジネスにおける展示会活用術

系統用蓄電池ビジネスに携わる皆さまにとって、展示会は情報収集や新規ビジネスアイデア発掘の絶好の場です。

特に「BATTERY JAPAN二次電池展」は国内最大級の規模を誇り、最新技術や市場動向を把握するうえで欠かせません。

本記事では、筆者が前回のBATTERY JAPAN 2025(春展)で実践した展示会活用術を具体的に紹介し、来場予定者が効率的にビジネスを加速できる方法を解説します。

1.協業パートナーやクライアントと一緒に訪問する

展示会というと、最新の製品や技術を見る「場」と捉えがちですが、系統用蓄電池ビジネスの現場では、それ以上の価値があります。筆者は、協業パートナーやクライアントと一緒にブースを回ることで、新しい事業アイデアをその場で練る方法を取り入れています。

例えば、製造業の協業パートナーと一緒に展示会を訪問した場合、様々なブースから得た情報をもとに「協業パートナーの持つプロダクトをどのようにサービス化できるか」を空き時間にディスカッションできます。また、他の協業パートナーが展示会で出展している場合、双方をつなぐ紹介役として動くことも可能です。

実際に前回のBATTERY JAPAN 2025(春展)では、このような動きによって多くの人脈やアイデアを結びつけることができました。

2.調査・研究として参加する際の工夫

展示会は、必ずしもアテンドなどの目的で参加する必要はありません。純粋に調査や研究のために参加する場合、効率的に情報を収集するための時間配分が重要です。参加日程が2日間の場合、筆者は例えば次のようにスケジュールを組んでいます。

2日間で展示会を効率よく回るための行動プロセス図

2-1.初日の行動

まずは直感に従い、興味のあるブース訪問します。目的は「とにかく聞きたいことを聞く」ことです。目立つブースに多く時間を費やすことになりますが、この段階ではブースへの訪問の偏りを気にしません。初日のポイントは、展示会終了後に翌日の行動計画を作ることです。

2-2.初日の行動後に行うこと

もらった大きなマップを広げ、会場を隅から隅までチェックします。すると、狭い通路にひっそりと出展している新興企業や、以前から注目していた研究所のブースに気づくことがあります。翌日訪問するブースを丸で囲み、計画に組み込みます。

初日に得た情報や気づきを基に、簡単なビジネススキーム図を作成するなどして、上司や同僚とディスカッションします。これにより、翌日にどのブースで何を聞けばよいかが明確になり、訪問の質を高めることができます。

2-3.翌日の効率的な回り方

翌日は、初日終了後にマークしたブースを中心に訪問します。このときのポイントは「ビジネススキームの検証」です。目当てのブースでは深掘りして質問し、具体的な情報を収集します。

主要な目的を達成したら、残りの時間で会場を隅から隅までゆっくり見て回ることをおすすめします。ここで思わぬ発見が生まれることも少なくありません。 実際、2024年ドイツ・ミュンヘンの展示会では、最終日の終了2時間前に、蓄電池の火災被害を事前に防ぐ斬新なソリューションを提供するチェコの企業を発見しました。火災発生後のソリューションは珍しく、最後まで粘った成果と言えます。

3.展示会活用術の根本にある思考法

筆者の「隅から隅まで見る」習慣は、コンサルティング経験だけでなく、学生時代のショッピング体験にも由来しています。当時は、渋谷や原宿の路面店やセレクトショップを友人と巡り、雑誌にも載っていない掘り出し物を探していました。この「細部まで見逃さない」姿勢が、展示会でも役立つのです。

このように、展示会での情報収集やアイデア発掘は、遊び心と探究心を持つことが成功の鍵となります。

4.展示会活用のポイントまとめ

展示会活用のポイント

BATTERY JAPAN二次電池展など、系統用蓄電池ビジネス向け展示会で成果を上げるためのポイントは以下の通りです。

  1. 協業パートナーとブースを回る
    一緒に過ごすことで、新たなアイデアが生まれ事業機会を見つける
  2. 初日は直感でブース訪問
    気になるブースを優先して回り、初日終了時に展示会マップを俯瞰する
  3. 展示会マップを眺め翌日の計画を立てる
    見落としていたブースや新興企業をチェックし、重点的に訪問。
  4. ビジネスアイデアを深掘り
    初日に得た情報をもとにビジネススキームを描き、必要な質問を整理して翌日に検証。
  5. 隅から隅まで会場を見る
    思わぬ発見や新しいアイデアのヒントを得る。


5.BATTERY JAPAN 2025秋に向けて

BATTERY JAPAN 2025秋展(2025年9月17日(水)~19日(金)開催)では、系統用蓄電池ビジネスに関わるさまざまな企業や自治体が一堂に会します。これまで説明してきたように、展示会協業・研究・発見の場として最大限活用しましょう。

最後に、展示会はフルに参加なくても価値があります。目的を明確に持ち、計画的に訪問することで、ビジネスに直結する情報を効率的に手に入れることができます。BATTERY JAPAN 2025秋に訪問する予定のある方は、本記事で紹介した活用術を参考に、ぜひ自分なりの効果的な回り方を見つけ、ビジネスのバリューアップにつなげてください。



グローシップは、系統用蓄電池ビジネスの黎明期から30社以上の蓄電所オーナー様を支援してきました。

プランニングから導入・運用まで一貫したコンサルティングを提供し、制度対応や資金調達スキームの設計も含め、事業化を総合的にサポートします。

ご検討中の方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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