【事例紹介】eKYC・基幹システムの移行・BPRまで、大手グループ証券会社のDX支援事例

大手グループ証券会社では、制度対応や老朽化したシステムの刷新、業務オペレーションの見直しなど、複数の課題が同時並行で進行していました。これらのプロジェクトは一見別々の取り組みに見えるものの、実際には相互に関係し、統合的なアプローチが求められるものでした。

当社は、eKYC導入支援・基幹システムの移行・業務部門のBPRという3つのプロジェクトに対して、フルスタックコンサルタントとして横断的な支援を提供。それぞれのプロジェクトに専門性を持ちながらも、部門横断の調整や現場定着まで一貫して伴走しました。

従業員数:1名 – 500名

業種:証券会社(オンライン証券)

背景・課題

今回の支援では、以下のような複合的な課題が存在していました。

  1. 犯罪収益移転防止法への対応としてのeKYC導入と、既存業務との混在による煩雑化への懸念
  2. 契約更新が難しい中での老朽化した基幹システムの移行
  3. 属人化や紙業務によるオペレーションミスの頻発といった業務運用上の慢性的な問題

制度対応IT刷新業務変革という3つの視点を同時に満たす必要があり、それぞれに高いハードルが存在していました。

大手証券会社の抱える課題

グローシップ・パートナーズの支援内容

eKYC導入に際しては、業務部門から業務負荷の増加や操作ミスに対する強い懸念が示されていました。当社は、eKYC導入の実績と業務知見を活かし、業務フロー整理や顧客画面の設計支援を実施。ベンダー調整からユーザー受入テスト(UAT)のサポート、運用定着支援までを一貫して担い、現場が安心して導入できる環境を整えました。

老朽化した既存システムは「紙印刷が前提」の設計であり、これを前提としないペーパーレス業務への移行設計から支援。さらに、入出金システムではテスト環境に制約がある中で、既存システムとの並行稼働を活用した実地テストの方式を設計・導入し、品質と納期の両立を実現しました。要件定義から画面イメージの作成、業務部門との調整に至るまで、短期間での稼働を成功させました。

紙運用や押印文化が残る現場では、業務の属人化や煩雑化が進んでいました。そこで、まず業務全量の棚卸しと可視化を実施し、重複業務や不要業務を整理。マニュアルの新規作成・更新により、教育・定着面の課題にも対応しました。また、大量のEUC(ユーザー開発ツール)による業務運用の見直しや、既存ツール活用によるコストを抑えた改善提案により、属人化と運用負荷の解消を図りました。

結果

横断的な支援により、以下のような成果が得られました。

  • eKYC導入によって、審査業務の効率化とオペレーションミスの削減を同時に実現
  • 基幹システムの刷新により、紙業務を大幅に削減し、運用負荷も軽減
  • 業務の見直しとマニュアル整備により、属人化の解消と業務定着を実現

それぞれの施策が単独で機能するだけでなく、相乗効果として組織全体の生産性や柔軟性を高める結果となり、クライアントからは「伴走してくれるパートナー」として高い評価をいただきました。

このような企業におすすめです

  • 制度対応と業務改善を同時に進めたい企業
  • 属人化の解消や業務の見える化に本気で取り組みたい企業
  • 限られた予算とスケジュールの中で確実に成果を出したい企業

当社は、IT、業務、業法、システム開発といった領域を横断できるフルスタックコンサルタント集団です。制度対応にとどまらず、部門間調整や定着支援までを一気通貫で伴走。「現場に入り込むコンサルティング」を強みとし、DX推進における実行力と現場視点の両立を実現します。
ご興味をお持ちの方は、どうぞお気軽にお声がけください。


担当コンサルタント


鎌田 崚介 (マネージャー)

大手グループ証券会社のDX支援では、PMとして複数のプロジェクトの立案からリリース、リリース後の安定稼働までを統括。 金融業界を主とし、複数の証券会社でシステム導入やシステム移管、業務改善に携わる。企画・計画から参画し、要件定義からリリースまで一貫してマネージメントを行い、数々のプロジェクトを成功に導いた経験を有する。


T . N (シニアコンサルタント)

大手グループ証券会社の制度対応プロジェクトでは、PM/PMOとして新制度に基づく業務・システム要件定義から、複数システムの改修およびローンチまでを一貫して統括。影響範囲の洗い出しと対応を徹底することで、安定稼働の実現に寄与。 また、不動産クラウドファンディングシステムの導入においても、要件定義から開発、保守運用まで一貫して支援するなど、領域を問わず幅広いプロジェクト経験を有する。

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