人間がPC上で行う定形業務をロボットが自動化して、業務効率化を実現するソリューションであり、人間と同じように作業する姿から別名「デジタルレイバー」とも呼ばれています。
具体的には、PC上のファイルやシステム、WEB上のサイトへの作業を記録して、ロボットが実施するといったものです。
ロボットは、一度記録された作業を正確に実行できるため、人が操作するのと同じ様に複数のシステムやアプリケーション、クラウド上のサービスを操作して、情報の抽出や加工をミスなく行うことができます。
そのため、複数のシステムを連携して行うPC上の作業の自動化や大規模なシステムの導入では解決できない現場の業務効率化を実現するソリューションとして注目を浴びています。業務改善や業務効率のアップ、生産性向上が企業の課題となっている今、事業規模を問わず様々な企業で導入の検討が行われています。
データやテキストの入力
WEBサイトや社内のシステム、アプリケーションなどの画面上にデータやテキストを入力する作業を自動化できます。システムへのデータ入力やシステムからシステムへデータを転記する作業などが可能です。
データの集約・加工
システムから抽出したデータを集約・加工する操作を自動化できます。集計やグラフ作成、データのクレンジングなど時間のかかる単純な作業を正確かつスピーディに処理できます。
情報の照合
複数のシステムからの情報を収集し、情報の内容を比較して、整合性を確認する作業を自動化できます。
モニタリング
監視対象のシステムを定期的または継続的に監視し、その結果を担当者に報告する作業を自動化できます。定期的なデータの取得やエラー検知などが可能です。
日本においてRPAツールが必要になった背景として、様々な社会や企業の課題があります。それらを解決するソリューションとして、RPAツールの導入を進める企業が増えています。
1.慢性的な人手不足
少子高齢化の進行により生産年齢人口が年々減少しており、慢性的な人手不足に陥っています。特に中小企業では人事・経理・総務などのバックオフィス業務に人件費やコストを多くはかけられないため、解決がなかなか難しい課題となっています。
2.低迷する労働生産性
近年では、日本の一人当たりの労働生産性はG7(先進7か国)中、最下位になっているどころか、向上率がマイナスになっているなど、世界的に作業の効率が悪いと評価されています。そのため、業務効率化による生産性の向上が目下の課題として挙げられることも多くあります。
3.DXへのニーズ
IT技術の発展に伴い、デジタル化への対応は企業の存続を左右する命題になったと言っても過言ではありません。特に先に挙げた人材不足や労働生産性の低迷などを解決しながら同時に企業の競争力を高めていくには、DXによる業務改革の推進が必要不可欠です。
RPAの発展段階は、三段階に分けることができ、現在は「クラス1」という定型業務の自動化が主流です。また、「クラス2」ではAIOCRなどAI技術と連携した非定型業務の自動化も実現されつつあります。「クラス3」では、将来的により高度なAI、ディープラーニングを活用し、意思決定を伴う業務の自動化が目標です。
導入の流れは、大まかに「業務分析」、「ツール選定」、「トライアル」、「本格導入」、「運用・保守」のステップで行います。 これらのステップを確実に遂行していくことで、着実にRPA化を進めていくことができます。
業務分析
現状の業務のどこにRPAを導入するかを検討するために、業務分析を行います。 業務プロセスを改善したい業務やRPAを適用できそうな業務を選定します。 業務分析の際は、プロセスだけでなく、業務の持つ課題も合わせて見つけていくことで、導入後の効果測定をより正確に行うことが可能です。
ツール選定
業務分析を終えた後にツールを比較検討します。 RPAツールは基本的には業務の自動化・効率化を目的としていますが、企業規模や部署ごとに最適なツールが分かれます。 社内のシステムとツールとの相性を見極めるため、複数のツールの情報を事前に調べておく必要があります。
トライアル
候補となるRPAツールを選定してトライアルを行います。 本格導入や運用保守を見据えて、ロボットの開発や運用時のツールの利用を重点的に検証する必要があります。 多くのRPAツールでは無料トライアルを提供していることが多いです。 無料トライアルを活用することで、導入前のコストを抑えることができます。
本格導入
ロボットの設計・開発を行い、できたものから順次リリースしていきます。 ロボットは記録した手順通りにしか作業を行えないため、この段階で業務手順を間違えて設計すると運用・保守でのトラブル発生につながります。 こうした状況を避けるために、現場の担当者も設計に関わるようにした方がいいでしょう。
運用・保守
導入効果を確実に得られるように、開発したロボットの稼働や稼働状況の確認、エラー対応などを行います。 一定の業務品質を達成しながら業務効率化できているか、定性・定量の面から評価を行い、ロボットの改善や次回の業務効率化の戦略に活用します。
RPA導入の手法としては、大きくIT技術者主導、現場主導の2つに分かれます。 その中でも現場主導は、迅速かつ低コストでRPAを始められるため、あまり費用をかけられない業務自動化・効率化に適した手法と言えます。 そのため、企業規模を問わずスモールスタートでスピーディに始められる現場主導がお勧めです。
IT技術者主導
高度なIT知識を持ったエンジニアが主体となってRPA導入を推進する手法であり、比較的規模の大きい企業で用いられることが多いです。 基本的には、エンジニアが現場の担当者から業務内容をヒアリングして、RPAツール内でワークフロー作成やプログラミングを行ってロボットを作成し、リリースし、大規模な業務効率化を実現します。 但し、業務ヒアリングで導入に時間がかかってしまうことが少なくありません。
現場主導
業務担当者が主体となってRPA導入を推進する手法であり、企業規模を問わずどんな企業でも実施できます。 担当者が自らRPAツールを操作して、ロボットを作成し、業務を自動化・効率化していくため、IT知識不要で簡単に操作できるRPAツールを使うことが前提条件です。 現場で業務選定からロボット開発までを一貫して行うため、外部との連携不要でスピーディかつスモールスタートで導入できます。
RPAのタイプは大きく、サーバ型、クラウド型、デスクトップ型の3つのタイプに分かれます。
サーバ型RPA
社内サーバに直接ロボットをインストールして社内全体の業務を横断的に管理し、自動化するツールです。
導入前にはコンサルティングやエンジニアリングを活用して、環境を整備することが多くあります。
社内に保管されている大量のデータや業務のルールをサーバ内で一括管理し、効率化の規模拡大を実現します。
また、全ロボットをサーバで一元的に管理するため、実行管理や機能把握ができてないロボットが出にくい点も特徴的です。
クラウド型RPA
クラウド上のサービスにログインしてWEB上でロボットを作成し、WEBブラウザ上での作業を自動化するツールです。
PCにインストールする必要がなく、インターネット環境があればすぐに使える手軽な点もあります。
一方で、常にインターネット環境が必要になるため、利用シーンが他のタイプよりも限られますが、クラウド上で行う定型業務を自動化したい場合には非常に有効であることが多いです。
デスクトップ型RPA
別名「RDA( Robotic Desktop Automation )」とも呼ばれ、デスクトップで稼働して業務を自動化するツールです。PC1台に対して導入されるため、属人的かつ単純作業の自動化が可能となります。
1台から導入できることから、部門や個人単位での小規模導入がしやすくなります。
初期費用が多くかかりがちなクラウド型、導入コンサルと運用保守費用が多くかかりがちなサーバ型よりも安価に導入でき、スモールスタートが可能です。
中小企業から大企業などの企業規模や業務内容など、企業の導入背景によって使うべきRPAツールは全く異なります。 目的と導入手法にあったRPAツールを導入することで、効果的にRPA導入を行うことができます。
現場主導に合ったRPAツール「ロボオペレータ」
現場の担当者がロボット開発を行うには、先でも挙げた通り、簡単なPC操作でロボットを作れるRPAツールを選択することが必須です。 現在、市場に多くのRPAツールがありますが、中でも「ロボオペレータ」は、誰でも簡単にロボットを開発できます。 そのため、現場主導のRPA導入に適したツールと言えます。
ロボオペレータの特徴
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